ベジタリアンとは?
「ベジタリアン・ベジタリアンフードとはどういったものですか?」
この質問に多くの人は「野菜だけ食べる菜食主義または、主義者が好んで食べるもの」と答えることでしょう。
「ベジ」という言葉が「野菜」を連想させるので、ベジタリアン=野菜だけを食べる人と解釈されがちですが、
実はそれはベジタリアンのほんの一部を指すにすぎません。
語源は「vegetable(英:野菜)」ではなく「vegetus(ラテン語:健全な、元気のある、新鮮な)」にあります。
この「vegetus」からベジタリアン(=健全な人)、ベジタブル(=新鮮なもの、健全にしてくれるもの=野菜)にそれぞれ派生していったと考えられています。
つまり、いわゆるベジタリアンとは「健全であろうとする人」を指します。
19世紀中ごろのイギリスに端を発するベジタリアン、「健全」の解釈は国や思想、信仰する宗教によって、細かく分かれていくことになります。
菜食を中心とした文化ではありますが、菜食のみという人たちはごく一部で、動物性の食品を全く食べない、というわけではないのです。
ベジタリアンの種類
細かく分かれるベジタリアンの種類ですが、その数は諸説あり、今では18種がメインです。
ここでは大きく次の3パターンに分けて、掘り下げてみます。
- ベジタリアン・・・菜食中心主義
- ヴィーガン・・・完全菜食主義
- マクロビオティック・・・日本発足、陰陽に基づいた菜食中心主義
ベジタリアン・マクロビオティックから、さらに制限された菜食主義をヴィーガンと呼んでいます。
それでは、それぞれについてもう少しだけ詳しく見ていきましょう。
ベジタリアン
完全な菜食主義ではなく、一部動物性の食品を口にすることを認められているケースが多く、乳や卵、魚などと合わせて食べる文化です。
以下の9種に分類されます。
- ノン・ミート・イーター:動物の卵や脂肪、皮、魚などは食すが、肉自体は食さない人たち。
- セミ・ベジタリアン(フレキシタリアン):特に禁止されている食材はなく、肉を摂取することに消極的な人たち。
- ラクト・ベジタリアン(ピュア・ベジタリアン):乳や蜂蜜は食すが、肉や魚、卵を食さない人たち。
- オボ・ベジタリアン:卵は食すが、肉や魚、乳や蜂蜜は食さない人たち。
- ラクト・オボ・ベジタリアン:卵や乳は食すが、肉や魚は食さない人たち。欧米の主義者に多く見られます。
- ペスコ・ベジタリアン(ぺスタリアン、ペスキタリアン):オーガニック志向で、魚菜食とも呼ばれる人たち。肉や卵、乳は食さない。
- ポゥヨゥ・ベジタリアン:鶏肉のみ肉食が許可されている。その他は特に制限はない。
- ホワイト・ベジタリアン(ホワイト・ミート・イーター):赤身肉を避けて、白身肉を食す人たち。
- オリエンタル・ベジタリアン:動物性の食品は一切食さない。五葷(ごくん)と呼ばれる野菜類も禁じている、仏教の影響を強く受けた人たち。台湾の精進料理などに該当する。
日本で最もポピュラーなのは「ラクト・オボ・ベジタリアン」でしょうか。
総じて牛肉・豚肉は忌避する傾向にあるようです。
ヴィーガン
近年健康的な食生活を心掛ける女性を中心に広がりを見せる「ヴィーガン」。
実はヴィーガンにもいくつか種類があり、加えて、ヴィーガンより厳しい制限がある主義を併せて、8種類紹介します。
- ヴィーガン:乳や卵、蜂蜜も含め、動物性食品は一切食べません。完全菜食主義であり、着るものや住む環境などでも動物性製品は忌避する。
- ダイエタリー・ヴィーガン:動物性食品を一切食べない完全菜食主義ではあるが、着るものや住む環境では動物性製品も受け入れる人たち。
日本ではこちらがなじみが深い。 - エシカル・ヴィーガン:食生活は完全菜食主義。思想として、動物にストレスを与えてはいけないとし、殺生だけでなく、より広く愛護の精神を強く持った人たち。
- ロー・ヴィーガン(リビング・フード・ヴィーガン):完全菜食主義に加え、46℃以下で調理することを条件とし、食材の酵素を活かしたローフードを好む人たち。
- ホール・フード・ベジタリアン(グルテン・フリー・ヴィーガン):完全菜食主義に加え、精製食品を忌避し、全粒粉などを中心とした食生活の人たち。
- フルータリアン:フルーツやナッツなどの木の実しか食さない人たち。
植物の命にも重きを置き、根を刈ったりすることで植物を殺してしまうと考える思想から生まれた主義。 - リキッダリアン:水やコーヒー、スムージーなど植物性の液体のみを食す。断食法の1つとしても知られ、「不食者」の大半が該当する。
- ブレッサリアン(プラーナタリアン):完全不食の人たち。光と水からのエネルギーのみを摂取する人たち。
ヴィーガンはベジタリアンに比べ、食以外の思想にも紐づいて考える人が多く、「命の扱い方」の解釈によって、その主義が変わる傾向にあります。
マクロビオティック
20世紀中ごろ日本で提唱された考え方です。
長寿法の一つとされ、主に食養を中心としており、その考え方は陰陽に基づき厳格な基準が設けられています。
<使用する食材>
- 穀菜主義で、原則魚以外の動物性食品を食してはいけない。
- 一部例外を除き、すべて国産のものを使用すること。
- 殺菌、除草、防虫など、いかなる理由においても農薬は使用せず、肥料は有機肥料に限定する。
- 製造の過程で、有害とされる添加物や抽出剤、化学調味料などを含めた加工品は使用不可。ただし、天然にがりなど無害な天然添加物は使用可能。
- 一物全体という考えのもと、食材の一部(例:根のみ、葉のみ)ではなく、全体を摂取する。同様の理由から精製米ではなく玄米やつき米を取ると良いとされている。
- 精製糖は忌避されるが、黒糖は許容されている。
<食材摂取の目安>
陰陽の思想に基づいているので、中庸(適正にバランスの整っている状態)を目指すのがマクロビオティックです。
- 水分
- 塩分
- 糖分
の摂取量には細心の注意を払います。
多すぎても少なすぎても体に悪影響を及ぼすので、その時々の体調や自身の体質に応じて摂取量を変化させます。
マクロビオティックの最大の目的は冒頭でも述べたとおり、「長寿」を目指しています。
宗教のように戒律で定められているものではなく、「これをすれば正しく健康を目指すことができますよ」という指標としてとらえると良いでしょう。
また、マクロビオティックでは「食事法の十段階」が定められており、段階に応じて制限を緩めることもできます。
ベジタリアンフードを取り入れてフォトジェニックなパーティーを演出!
自然に寄り添い、本来あるべき形で健康になろうとする意識や思想は、昨今の健康ブームから諸外国にとどまらず、日本でも取り入れる人が増えています。
大人数が集まるようなパーティーでは、多様な食文化が一堂に会するので、中にはベジタリアンや、ヴィーガンを好む人もいるでしょう。
そういった場合にベジタリアンフードを手配することになりますが、
- ベジタリアンとかヴィーガンとか、あまりおいしくないんでしょ?
- ベジタリアンフードって、そういう人しか食べられないんでしょ?
そんな声を聞くことが多々あります。
決してそんなことはなく、野菜を主体としたメニューが増えることで、彩りが増え華やかになり、素材を活かした料理が多いのでかえって味わいも良い料理が多いです。
パーティーケータリングのアクセントにもなる、ベジタリアンフードを取り入れたパーティー事例をご紹介します!
【事例紹介】ベジタリアンフードを取り入れたパーティー事例 その①
予算:一人あたり 3,800円
参加人数:約300名
【メニュー名】
<ベジタリアンフード>
- 3種のカップサラダ~豆サラダ、インゲンとマッシュルームのサラダ、人参のラペ~
- グルテンミートのチリコンカンとバケット
- 3色ベジキューブ~赤、紫、緑~
- 3色のカリフォルニアロール
- トマトとほうれん草のバンズdeハンバーガー
- お野菜のフリットプレート(ゴーヤ、ミニ人参、ペコロス)
- 冷製コーンチャウダー~フレッシュヤングコーン添え~
<ノンベジタリアンフード>
- カリフォルニアロール
- マンゴーチキンカツ
- 鮪とアボカドのカルパッチョ
- ホットドック&ミックスサンドウィッチ
- ムール貝のココナッツカレー風味 ※温製
- ホタテ貝とニラのキヌアソース ※温製
- クラムチャウダー&サワーブレッド
- トマトとほうれん草のバンズdeチーズバーガー&フィレオフィッシュバーガー チキン南蛮揚げ野菜添え
- 魚介のフリットプレート
- ワッフルとフルーツとクリームのパフェ
こちらのパーティーでは、全てベジタリアンフードではなく、
ノンベジタリアンフードとベジタリアンフードで、盛り付けるテーブルを分けさせていただきました。
参加者の特性にもよりますが、比較的お肉などへの制限が緩い場合は、このようにメインは皆さまで同じものをお召し上がりいただくことも可能です。
【ワンポイント】
グルテンミート・・・って何でしょう?
グルテンミートとは、大豆を主原料としたお肉の代わりに用いられる食材です。
ベジタリアンはその思想上、お肉を召し上がることができないことがほとんどです。それでも、ベジタリアン以外の人と食べるものが大きく変わってしまうのは、なんとなく疎外感を与えてしまいかねません。
そこで、グルテンミートを用いることでお肉料理を再現!実際に食べてみると、説明を受けない限りはお肉ではないと気付かないほどです。
ベジタリアンでなくても、お肉が苦手な人でも食べやすいように近年日本でも普及している、注目の食材です。
【事例紹介】ベジタリアンフードを取り入れたパーティー事例 その②
予算:一人あたり 3,000円
参加人数:約300人
【メニュー名】
<ベジタリアンフード>
- バーニャカウダ フレッシュ&グリル
- 4種のブルスケッタ~トマト、ポテト、キャロット、パンプキン~
- グルテンミートを使ったペンネボロネーゼ ※温製
- ジャガイモとお豆のとろとろ豆乳グラタン ※温製
- キーマカレーちぎりパンサンド ※温製
- フルーツ盛り合わせ
- 2種のトライフル
<ノンベジタリアンフード>
- ローストビーフ
- ローストポーク
- フィッシュアンドチップス
- コーニッシュパスティー ミートパイ
- バンガーズ&マッシュ ソーセージとポテト ※温製
- ローストチキン ※温製
- ペンネボロネーゼ ※温製
- シェパーズパイ ※温製
- キャロットケーキ
- スコーン ジャム&クリーム
こちらのパーティーも事例①と同様に、ノンベジタリアンフードとベジタリアンフードを分けてお出ししました。
制限が厳しいベジタリアンの方もきちんと満足できるように、お腹にたまりやすいメニューをお作りしております。
【ワンポイント】
ベジタリアンフードで、前菜からデザートまで揃えています。
ベジタリアンフードを考える時、デザートにフルーツを用意するのは鉄板ですが、スポンジカップケーキのトライフルをベジタリアン向けに用意することで、デザートの満足度を高めました。
【事例紹介】ヴィーガンフードを取り入れたパーティー事例のご紹介
予算:一人あたり 5,400円
参加人数:400名
【メニュー】
<ヴィーガン>
- 季節のおまかせオーガニックデリ
- 国産大豆のテンペのステーキ~オーガニックマスタード醤油ソース~
- オーガニックバジルポテトフライ
<ノンヴィーガン>
- シュリンプシーザーサラダ
- チップス&ディップ
- ケイジャンポテト
- グリルソーセージ~ハニーマスタード~
- フライドチキン~BBQソース和え~
- カラフルベジ(キャベツ、人参、玉ねぎ) ※BBQ
- サンチュ、トルティーヤ ※BBQ
- 海老と季節野菜のクロシェット ※BBQ
- 豚カルビ レモンペッパー ※BBQ
- 牛カルビ レッドソース ※BBQ
- 鶏もも ※BBQ
- フライ盛り合わせ
- 本日のデザート
【ワンポイント】
完全菜食のヴィーガンなので、肉・魚・卵・乳食材は一切使用しないままに、BBQをメインとしていることを意識したメニューを組み込んでいます。
ステーキに使用されている「テンペ」とは、大豆を発行させてブロック状に成型したもの。
インドネシア発祥の食材で、近年日本でも健康食材として注目を集めており、海外では、グルテンミートに比べより伝統的に使用されてきた食材です。
ヴィーガンプランを活用したパーティー事例はこちらからご確認いただけます。
最後に
ベジタリアンフードの最大の特徴は、身体を自然な状態に近づけより健康的な食生活を送る、ということを第一に掲げていることです。
野菜を中心とした食生活を送ることで、自然との共存や、人間を含めた動物本来の生命活動を目指します。
世の中には、日本ではあまり目にかかることのない、鮮やかでおいしい野菜がたくさんあります。
それらをうまく用いることで、パーティーをオシャレで健康的に演出できます。
また、外国の方を招く機会が増えるほど、ベジタリアンフードの手配の機会も増えてきます。
外国の方のおもてなしの一つとして、ベジタリアンフードも用意するべきだと思います。
おまかせケータリングdishでは、ベジタリアンの程度に合わせて、さまざまなフードプランをご提案いたします。
特に、普段ベジタリアンフードなどを意識していない幹事さまにとっては、馴染みもなく不安なことが多いかと思います。
そんな時こそ、我々のようなプロに是非一度お問い合わせ ください!